• JuiceBox課題で意識すること
    -Staging
    -Appeal
    -Solid Drawing
  • 小麦袋(Flour sack)を使わない理由
  • 「12の原則」はアニメーションを見るときのチェックリスト
  • アニメーションを早く仕上げる方法
  • 30分ルール
  • オイラー回転とGimbal

※「アニメーションワークショップ(2013) 各週の内容」をすべて見るにはこちら

シンガポール在住のアニメーター小島淳嗣氏によって2013年に開催されたアニメーションワークショップの内容を許可を得てまとめています。

※茶色の文章はクラス中に言われたことではなく、編集時に追記したものです

■提出した動画

動画は , キーもしくは . キーでコマ送りすることができます。

●Head Turn修正(大畑)-> 動画のDLはこちら

●Head Turn修正(太田さん)

・前半は切り捨て、振り向くだけでいい。
・気づいてから振り向くまでが早い。気づいた時に間を入れる。
・59fからオーバーシュート。
・コントラストを入れる。タイミングが同じ。
・頭上がってから以降が同じスピードになっている。

●Head Turn修正(栗木さん)

・2つの動作に分かれすぎている
・テンポがeven(五分五分)になっている。バリエーションをつける
・腰が横にしか動いていないので縦にも動かす

■JuiceBox課題について

100フレーム以内。

生きてるように見せつつ、何を考えているのか、どういう気分なのか見えるように。

オチとかあってもいいけど、今はそんなに考えなくていい。

4点ピボットは難しい。ジャンプとかしてもいい。ストロー付けてもOK。

テクスチャあってもなくてもいい。(自分が伝えようとしていることに必要であれば)

モデリングはグレーの立方体でOK。

変形(ツイスト、伸びる、へしゃげるなど)は極力しないでほしい。動くタイミングだけで伝えて欲しい。

■小島さんによる課題の例

■Flour Sack (小麦袋)を使わない理由

(アニメーションのテストでよく見る”小麦袋”を使わない理由について5週目で聞けたので先取りします)
flour sack: 小麦袋
2dアニメーションではよく最初のほうにやる。書くのが簡単。手足もあるし、背骨もあってツイストできる。感情表現が出来る。

ただ、3Dになったときに有機的なところが難しい。ウェイトの調整などきりがない。

もっとアニメーションに集中したいのでJuiceBoxを使う。

■「12の原則」はアニメーションを見るときのチェックリスト

これまで課題をやってきて、アニメーションを見るときに一歩下がって観れるようになってるはず。
Anticがあるか、アークが有るか、アークが大きいか小さいか・・。

要はこれはチェックリスト。

タイミングはイーブンになってないか?重いものなのに早すぎないか?スローイン、スローアウトは?

オーバーラッピングは?物が動くときに同時に動いてないか?ぴたっと止まってないか?

これは忘れずに。体に染み込むくらいに覚えておく。自然と出てくる感じに。

■JuiceBox課題で意識すること

JuiceBoxはステージングとアピール、ソリッドドローイングを意識する。

・ステージング&コンポジション

コンポジションを作る段階で色々なテクニックがあるが・・
いろんな映画を見て目を肥やしていく。
流し見ではなく、気に入ったトコは何度も見る。怖い構図、良さそうに見える構図など。

・アピール

魅力的かどうか(作品、キャラクター、動き)。人を引き付ける何かがあるかどうか。

どこでそのアピールが生まれるか、というのはぼんやりとしているので一概には言えない。
キャラクターのルック自体にアピールがあったりする。
キャラクターのデザインだけではなく、動きの中にもアピールがある。Boxを動かすだけで、Boxが何を考えているのか見せることができればそこのアピールが出る。

動かすだけではだめで、アイディアにもアピールが必要。アイディアの段階でほとんど勝ち負けが決まってくるかも。
(JuiceBox課題だけでなく、この後のStand Up,Walk Cycle,Pantomimeの課題のときにも必ず言われました。)

よく勘違いされるのが、ディズニー作品にはアピールがあるという言い方をした時に、美男美女にアピールがあるかといえば、そうでもない。アピールはあるけど、カッコイイからアピールがあるわけではない。別の部分。

眠れる森の美女の魔女、不細工だけど魅力がある。
綺麗=アピールが有るというわけではない。悪役でも魅力的にできる。

・ソリッド ドローイング (実質感のある絵)

見せ方によって・・
オブジェクトの奥行きや質量が感じられない。地面のラインも1本だと位置がよくわからない。

首切りの構図:二次元的にみたときに首が切れてるようにみえてる構図。
首に限らず脚とかも。脚が切れてるように見える構図のこと。

真横、真正面からだと立体感がわからない。どういう形なのかわからない。
(“Solid drawing”でGoogle画像検索するキャラクターを使った解説画像がたくさん出てきます)

JuiceBoxは特にアピールが大事!
カートゥーンにすればいいというわけではない。
”っぽさ”を出すように。

■アニメーションを早く仕上げる方法

プレイブラストに一番時間がかかると言ったが、アニメーションをどうやったら早く仕上げれるか?

・直すポイントを具体的に、手書きで書きだす

12の原則を勉強したことで、アニメーションを確認するときに直さなきゃいけないポイントが見えると思う。

そのポイントを手書きでしっかり書き出す。フレームナンバーも書く。

具体的に、「10f目で下腕を内側に5度曲げる」というように書く。
曖昧な書き方、たとえば「10f目で左腕をもっと曲げる」ではだめ。

何をやれば自分が求めている物に近づくか、しっかりと書き出す。
自分の目が鍛えられていないと書き出せない。自分の目が良くならないといつまでたっても良くならない。

しっかりプレイブラストを見て、分析する!
技術的なこと、Tipsは小手先でしかない。

・30分ルール

何回やっても上手くいかないショットがある。グラフエティタでカーブをちくちくいじってると、一日が終わってしまう。

10分でもいい。自分にあった時間で。
今あるものをセーブして、それから10分、30分はどれだけ壊れても気にしない!ストッパーをかけない。
こうやれば良くなるんじゃないかと思うことをドンドンやる。思いっきやる。

で、プレイブラストを出して、うまくいかなければ戻ればいいだけ。戻って、違う方法でチャレンジ。

思い切りを出すためにSaveをかける。

■ オイラー回転とGimbalについて

Gimbal.英語ではギンバル。3D空間上で物を動かすときにXYZの3方向ある。
回転もXYZある。内部的にどう処理されてるか?

3軸で回転を処理することをオイラー角という。
クオータニオンというのもあるし、他にも色々あるが、アニメーターが使うのは基本的にオイラー。

問題があって・・
オイラーで計算していくと、3軸が順番に計算される。X>Y>Z。

クオータニオンではジンバルロックはおこらない。

RotYだけ回転させたかったのに、X,Zの数値も変わってしまう・・

回転ツール設定。Gimbalにすると、どういう動きをしてるか、どうMayaで処理してるかわかる。

いろんな実験をして感覚をつかもう。

オイラー角。3軸順番に計算されているといったが、どこにそれが描かれてるか?

アトリビュート内のRotate order。XYZ,ZYX,….いろいろある。
どの軸が最初に計算されるか。XYZは Z > Y > X で計算される

矢印。全部同じ数値なのに、全部違う方向を向いてる。それぞれRotate Orderが違うから。

ここを認識してやらないと、効率的に作業できなかったりする。

腕・・前に出した腕を体の横に伸ばすようにすると、3軸で計算されてしまう。

Zが最後にくる zyx にするとZの値だけ変わる。

Gimbalが重なっていると、3軸全部を掛けあわせなくなってしまう。Rotate Orderを変えると、何個もグラフエディタをいじる必要はなくなる。自分がさせたい動きを理解し、戦略的にやれば効率的にできる。

やっていかないとわからないので、数をこなすしかない。

■ワークショップ後に教えてもらったオイラー回転とGimbalに関しての動画

■JuiceBox課題の参考動画

ぬいぐるみ。口が少し動くだけ。

単純な形だけど、タイミング、スペーシング、出てくる場所によってすごく感情豊かに表現されている。

ジュースボックスでやってほしいのはこういうところ。イキイキした動きが表現できるように。

■次回までの課題

Juicebox課題提出