• Squash and stretch
  • アイディアを削る
  • 学生の時に一番大切なこと
  • そのキャラにしか出来ない動き-GenericとSpecific
  • ブロッキングをステップでする理由
  • 目のコントロール(World/Local)
  • 肌に赤みのある影を付ける

※「アニメーションワークショップ(2013) 各週の内容」をすべて見るにはこちら

シンガポール在住のアニメーター小島淳嗣氏によって2013年に開催されたアニメーションワークショップの内容を許可を得てまとめています。

※茶色の文章はクラス中に言われたことではなく、編集時に追記したものです

■はじめに

みんな提出がギリギリすぎ。ギリギリまでやらなくて良い。

ギリギリ=計画がうまいこと進んでない。きっちり計画してやればもっと早く終わる。

■提出した動画

動画は , キーもしくは . キーでコマ送りすることができます。

●StandUp(大畑)

・長い。アイディアを削る。200fは長い。
振るところまではいらないかな。205f. バットをひきずりつつ睨む感じ。
最後のアイディアとして、ふりかぶる、振り切るのはやりすぎ。Stand upの課題だし。

・はじめ。すぐに上を向く。(42f~)
・バットを見てるのがわかりにくい。もっと早いタイミングでやって良い。

・重さがどこにあるかわからない。
132fから右足が前に出てるが、腰の動きがない。重さがどこにいったのか?となる。
140fらへんでRootはもっと画面右にくるはず。そうしないと右足をあげれない。

踏み出す方の足の逆に重さが行く。左足で支えて、はじめて右足が出せる。
151あたりで左足のステップが始まるので、腰は左側に行ってないといけない。

・腰の動きが全然できてない。重さがないまま立ち上がってるように見える。
170fあたりも。腰が動かず足だけ動いてる。
111f. 動きがどこで支えられてる見て、わわからない。
207f. 振り上げはもっと地面につけとい良い。

・ポリッシュできてない部分が目立つ。
右肩がずっと同じポーズのまま。Shoulder使う。

・コンストレインで苦労してる。

・それよりもなによりもアイディアを絞れてない。シンプルに!
伝えたいのは何なのか!

●StandUp(太田さん)

・肌色を付ける。

・32f,33f右腕ピタッと止まってる。Spacingの絶対やってはいけないこと。
ゆっくり止まるか、行ってまた戻るか(オーバーシュート)。

・38fあたりで頭がピタッと止まったままになってる。
ここもゆっくり止まるかオーバーシュート。

・ガッツポーズで体が止まっているからスペーシングを見る。

・腰あげる時。rootと背骨をオーバーラップして欲しい。
腰が上がる時、上半身はもっと下に。

・アイディアとしてはうまくまとまってる。
だけどジェネラル。クリシェ―。よくありそうな感じ。

●StandUp(東郷さん)


問題ない。

最後のポーズ。P2Pの感じになってる。
もうちょっと体の部位ごとに動きばらす。

最後の段階でいいものはできたけど、ブロッキングでコンセンサスを取るのが大事。

●StandUp(栗木さん)-> 動画のDLはこちら

・しっかり終わらせればリールに入れれるくらいになる。

・エアピアノ。
アイディアとしては・・自分ならピアノを置くかな。

・コンスタントにトントンしてるので、そこにバリエーションを持たせる。
はじめはゆっくりで、だんだんスピードに乗るとか。

・タイミングが一番弱い。
手の動きが雑すぎるので、ピアノという感じが伝わってこない。
指の動きは難しい。

・顔が悩んでる感じで、乗り切ってない感じ。で、乗ってきたときにいい顔になる。

・ピアノあったほ方が伝わる。
エアピアノで完成させてももちろん良い。やりたかったら。

・最後のじゃーんはいらないかな。見せ場は前半のところ。
表情の変化を見せれれば面白い。陶酔仕切ってる感じを出す。

・立ち上がった後に伸びる(Stretch)のがわかってるから、その前に潰し(Squash)を入れたい。
51fあたり。ポーズとしてヘコんでるように見せる。

ポーズでSquash & Stretchをしたい。
この差をポーズでしっかりつけることによって、最後の伸びが強調される。
そうすれば最後にもう一回じゃーんするのはいらない。

・膝が両方同じ方向に動くのがきになる。足は開いてる状態の方が安定するかな。
この作品で面白いのはピアノのところだから、足を動かしてそこに目をいかせたくない。
時間も費やしたくいので、もっとシンプルに。
上半身に集中させる。

・ポリッシュとしてはちょっとぬるい。
ポリッシュは難しいが、とにかく時間をかけてやる。そこが分かれば早くできるようになってくる。
泊まりがけくらいの勢いでやると自信になる。

・髪型。葉加瀬太郎みたいな?
そこら辺もアニメーションに影響してくる。

●StandUp(黒澤さん)

・詳しいことはメールで送る。

・よくできてる。アニメーションが上手というか、こなれてる感じ。
無難な感じ。

・アイディアの面で言うとしたら・・
授業中に指名されてびっくりして起きたんだとしたら、このポーズはしないかな。(53fのような。)

・手もしくはお腹で机を押して、手は上げ過ぎないほうが良い。

・50f以降。1step or 2step 足に動きがあったほうが良いかな。
素早目の小さなステップ。

・もっとサイドに揺れたり、後ろに行ったり。
それが終わった後に70fのポーズで周りを見渡す。
「あれ、おれなにかやっちゃった?」チラ、チラ。みたいな。

・基本良く出来てるのであんまり言うことはない。
ゴツい体というのは伝わってるので、早い段階でキャラ作りということはできてた。

●全員に対して言っていたこと&他の参加者が言われていたこと

・ポリッシュの段階になったら1フレーム1フレームちこちこ動かして、
1フレームずつ見てそれぞれ重さが何処にあるのか見て直していかないと終わらない。

ヌードルする→カーブで遊んでるだけの状態のこと。
絵として、どこをどうすればいいかわかってれば、直せるようになる。

・学生のうちは学校とかで周りに聞ける人がたくさんいるし、聞いておくべき。
参考程度に。取り入れる取り入れないは自分の判断で。

・ブロッキングの段階で決まってしまうというのがわかったと思う。
ブロッキングはほんとうに大事。ブロッキングの段階で挑戦する。
そうしないと納得いかないままポリッシュになってしまう。

・アイディアの方向として、もっと良い方向に出来たと思う。
キャラ付けがしてあることによって、動作が全部変わってくるということがわかると思う→東郷くんのが良い例。

・赤い服+黒いズボン=ジェネラル。
どこでも思いつくアイディア。それが悪いわけではない。
が、それを選んでしまったがゆえに、何をするか絞られてしまう。
メカニクスをまとめる力はあるが、アニメーションの方向性がジェネラル過ぎる。
これは直さずに、次の課題に進んだ方が良いかも。やるとしたら、初めからかな?

・服装はキャラの動きにも反映されてくる。
2Dアニメのときは必須だった。
Translate,Rotateいじるだけでうまいアニメーション作れるわけじゃない。
パペットを操ってるわけじゃない。

・絵を作る職業なので・・。
キャラ付けがしっかりしてれば下手なアニメーションでもうまく見える。
魅力的な絵をいかに画面上に出せるか。
絵として画面にプロジェクションする。

■Squash and Stretch

潰れる、伸びる、伸縮。

バウンシングボールのときに伸縮させる人が多いけど、このワークショップでは意図的にやらなかった。

現実世界にはフレームなどという物はなく、ものは連続して動いている。
映像というミディアムに落とし込む便宜上フレームというものに分割している。

スロー映像を除いて映像媒体で伸びて見えるのは、ほぼモーションブラーによるもの。
アニメーションという媒体でそれを意図してやるのは、程度の差はあれ誇張表現である事を分かってほしかった。

プロダクションではVFXであっても色々な形(実際に物の変形であったり、ポーズによるものであったり)でSquash and Stretchを入れる。
ただそれらはモーションブラーの度合い(=露出)など色々な事を考えて過剰に見えない度合いを適切に調整した結果そうなっている。

レンズやライトなどが全く考えられていないアニメーション用のplayblastでボールを変形させるのは、単なる手癖であって記号で絵を描いている状態。
色々な主義の人がいるとは思うが、自分はそういう見解。

■アイディアを削る

削れなくなった状態が一番最高の状態。

大畑くんのを見ると・・
長くなってしまった。何を見せたいのかが分からない。
ちょっと迷走してる感が見て取れる。

まずは短くしたフレームでしっかりやってみる。
引き算しただけじゃただの手抜き。1フレームにどれだけ詰め込めるかが勝負。

■学生の時に一番大切なこと

学生の時に一番大切なのはやってみること。手を動かして、目で見て、認識する。

数をこなせば、どこを直せばいいかわかるようになる。
なにも考えなくても手が動かないと。

■そのキャラにしか出来ない動き-GenericとSpecific

・Generic
一般的な。よくある。クリシェ―的な。

・Specific
特定された方向。 specificity.
東郷くんのはSpecific.

完全なSpecificを目指す。
Specificにすることによっていろんなアイディアが湧いてくる。そのキャラにしか出来ない動き。

椅子に座ってる段階で手をたたく(東郷くんのアニメーション)。Specificity。特定の動き。
そのキャラがその状況で、そのときにしかやらないような動きを入れる。
Secondary Actionと同義的な感じ。ディテールとも近い。

ボクサーのポンポン、という動き。
可能性を排除することになるが、キャラクタが絞れる。
そのキャラしかしない動き。特有の動きということ。

キャラ特有の動きは面白いものになる。目を引く。

■ブロッキングをステップでする理由

ブロッキングの段階でステップにしない。なぜか?

ポーズが付けやすいので推奨されてたりするが、長さを定義してないのが一番問題。
どこの段階で次のポーズに移り始めるのかを定義していない。

ステップの一番の利点はポーズが簡単に変えれること。
中間にタイミングを取るためにポーズを入れてしまうと、ステップの利点がなくなる。
最初のポーズを変えるときに、中間のポーズも帰る必要がでてくる。

長さ、ポーズをどれだけ止めておくかは大事。核心。

■目のコントロール

目の制御はWorldかLocalか?

NormanでいうとFollowというのがLocalにする項目。

結論で言うとLocalでやる。Worldではほとんどやらない。

アニメーションとしてはSpacingがコントロールできないのが問題。
頭がほとんど動かないようなときはWorldを使うことも。

■参考動画

(ワークショップ前日に送ってもらったフランスの動画です)

足を振って脱ぐ所。Specificity.

この靴の脱ぎ方。
このキャラクターが、この状況(準備して興奮して、早く走りたい。脱ぎたい。という気持ち)があってこの振り方になってる。

■ ビューポート上で肌に赤みのある影を付ける

Mayaのビューポートで見ると肌の影が黒く出るが、赤みのある影を付けたい。

Material設定の”incandescence”(Colorの3つ下の項目)をちょっと上げると影が明るくなる。
そしてちょっと赤みを足す。

レンダリングするときは別にしなきゃいけない。

■次回までの課題

人型のキャラを使ったWalkCycle.
24f or 32f.

必ずループ再生なるように。
0fと24fに同じポーズ付けて、1f-24fでレンダリング。

下記PDFを見ればWalkの基本はわかる。

-WALK CYCLE : FROM THE INSIDE OUT (ページ01~06)
-WALK CYCLE : FROM THE INSIDE OUT (ページ07~12)
-WALK CYCLE : FROM THE INSIDE OUT (ページ13~14)

GenericなWalk Cycleは作らない。

PDFは基本知識、メカニズムが紹介されているのでそれをベースに。
Character Walkともいう。

外観。キャラが考えてることによって歩き方が変わってくる。

足をひきずるなどはやめる。普通のWalkに近い形でつける。