• アイディアがUniversalであることは大事
  • Straight Ahead and Pose to Pose
  • ゴールデンポーズ
  • レイヤリング
  • ビート

※「アニメーションワークショップ(2013) 各週の内容」をすべて見るにはこちら

シンガポール在住のアニメーター小島淳嗣氏によって2013年に開催されたアニメーションワークショップの内容を許可を得てまとめています。

※茶色の文章はクラス中に言われたことではなく、編集時に追記したものです

■提出した動画

動画は , キーもしくは . キーでコマ送りすることができます。

●JuiceBox(大畑)-> 動画のDLはこちら

・インパクトの部分が薄い。
勢い良くあたるべき。壁をもう少し離す。
距離が短いので大きいスペーシングを取りにくい。

・アイディアがUniversalであることは大事
→日本人だけでなく他の国の人が見ても分かるアイディア、ということ。
東京フレンドパークに出てくる「ジャンプして壁に張り付くゲーム」を元ネタに作ったのですが、そうすると日本人にしか理解できない物になってしまう可能性が高い。

・何回も引っ張るのではなく、1回でぐぐぅぅ〜〜〜っと。

震える感じを出すには定形がある。スペーシングの左右の幅をだんだん小さくしていく。
→増補・アニメーションサバイバルキットの298ページに図解あり。

はじめの部分は特に「ぐぐぐ〜」が必要。

・くっついた後に少し下にずれるか。バリエーションがほしい。

・粘着質の形が汚い。
イーブンに並んでるのが気になる。大きいのが1つだと伝わりやすくなると思う

・絵としてちゃんと見れる絵じゃないと、動いたときにもよく見えない

●JuiceBox(太田さん)

 

●JuiceBox(東郷さん)

・すごく良くできてる。
楽しんだ?(笑) 楽しんでる感じが出てる。それが大事。

・カメラが低すぎ。
(東郷的見解: ジュースボックスが滑るところで12の原則のソリッドドローイングができていない、ある意味いい例?)

[東郷さんのコメント]
前回反省した部分が生かせた。 1週置くことでダメな部分が明確に見えたので修正。
楽しめました。ただ時間の使い方は反省されていなく次週大変な目に・・

●JuiceBox(栗木さん)-> 動画のDLはこちら

・アイディアの段階で勝ってる。

・皆の中では一番生きている感じがする。
JuiceBoxが苦労してる感じが伝わってくる。

・振動アニメーションに関して。次第にブレが弱まっていきたい。

・栗木くんは誇張し過ぎる、徳永くんはリアル過ぎるので良いとこ取りで間を狙うようにする。

・1回目の着地でもっとバリエーションが欲しかった。簡単に着地してる感じがする。

・冒険心。どこまで自分が踏み切れるか。
やり過ぎじゃないかな?と思うところまでやってみるといいかも。

[栗木さんのコメント]
リグの知識がなかったのでx70-x80あたりでモデルのすり替えをしています。
→モデルのすり替えはやらない。レンダリングする人が困る。モーションブラーの問題もある。

●他の参加者が言われていたこと

・歩かせることだけで手一杯になってる感じがする。
JuiceBoxを生きてるように見せるところに力を入れれてない。
生きてる感じを出すことに集中するように。

・2点歩行を諦めるのも有り。
技術的なところを極めるのが目的ではない。作品として仕上げる、面白みのあるものに仕上げるのも大事。

逃げではなく戦略。必要なところに力を使う。必要じゃないところは力を使わない。

・短くても、それで楽しいのであればそのほうが良い。凝縮されてる状態。

冗長に長いよりは短くて詰まってるほうが良い。

 

■ Straight Ahead and Pose to Pose

しっかり区別する必要はないが、それぞれ利点がある

 

●Straight Ahead – ストレートアヘッド

・利点
滑らか
楽しい
カクカクした動きにならない
直感的にできる

・欠点
プランから外れていってしまう

アニメーションの主、ショットのポイントがmissing(ショットで何を伝えたいのか、感情とかを忘れてしまいがち)

●Pose to Pose – ポーズトゥポーズ – P2P

・利点
早い
ポーズがしっかり。クリアー
実践的

早いというのは・・ショット全体をブロッキングしてしまうので、完成形に早い時点でもっていける
絵としてポーズが作品の中に残る

・欠点
滑らかでなくなる可能性がある
P2Pっぽい

中間をあまり見なくなってしまう。ポーズA -> B -> C -> D と移るような。

●実際には2つ両方使うことになる。ハイブリッド。
P2Pでポーズ、中間はストレートアヘッドでショットの初めから1フレームずつ。

 

■ゴールデンポーズ

ショットのポイント。「伝えたいことはなにか」をちゃんと語ってくれるポーズ。
そのショットに欠かせないポーズ。

最初にゴールデンポーズ作って、アニメーションを作っていく中でそれを変えないことが大事。
そのポーズに持っていくために周りを調整する。

 

■レイヤリング

ボディーのパーツをいくつかに分けて、1つずつを見ていくこと。
1つ完成したらその上を見ていく。

まずは腰を見る、というように部位を分けて見ていくことをレイヤリングという。

腰ができたらじゃぁ次は胸。今度は頭・・など。

軸として考えることもレイヤリングということもある。
まずグラフエディタでXのカーブで横の移動だけを調整。
そのあとY. はじめはゆっくり少し上がって・・更に起こす、など。

軸を分けて考えるということ。これもレイヤリングということもある。

はじめにやった8の字の動きも、軸を分解することで理解しやすくなる。

(2016/01/09 追記)
レイヤリングのプロセスがとても分かりやすい動画。

Alivia – one shot animation progress from Sebastian Kalemba on Vimeo.

■ビート

タイミング。

定期的なビートは面白く無い。ビートを崩す。バリエーションを増やす。
つまらない、予想できるリズムにならないように。

 

■ブロッキングについて

1週目、2週目と複数回見せれるなら、最初に見せる時までに頭から尻まで作る。
早い段階で方向性を確認する。それでOKなら細かいところを調整する。

実際の作業の流れは型にはまらない。

2週間のショットだと・・
1周間と3日くらいはブロッキング。
ポリッシュは残りの2日。

8割はブロッキング。

監督の方向性も変わるし、ポリッシュも同時に進めていく感じになる。

 

■次回までの課題

WalkCycleをしようと思ってたけど・・つまらないからやめた。

人型のキャラを使って立ち上がる動作。
どんな立ち上がりでもいい。椅子からでもいいし、布団からでもいい。

フレーム制限なし。

エッセンスを凝縮する。→5週目「引き算の美」
必要最低限でいいので、それだけ見せる。